カーオーディオが壊れて音楽を聴けなくなったので、しばらくスマホ本体だけで聴いていた。
スマホの音は、しばらく聞いていると疲れてくる。
なんとかしようと、電気屋やカー用品の店舗を覗いてみた。
カーオーディオは、ほとんどカーナビに内蔵されたものである。
カーナビ自体はまだ使えるので、カーナビを買い替えるのは躊躇してしまう。
そこで考えたのが、ブルートゥーススピーカーである。
売り場には、さまざまなワイヤレススピーカーが並んでいる。
サウンドバーと呼ばれるテレビ用のスピーカーは、だいぶ前から発売されていて、よく見かける。
これは、テレビ受像機が大型薄型になって、大きなスピーカーが内蔵でき無くなったので、それを補うものだろう。
かなり臨場感のある音が再生できるようなので、気にはなっていた。
カーオーディオ用として使えそうなものを探してみた。
専用の置き場がないので、できるだけコンパクトでなければならない。
ステレオ再生できるものだと、箱型でそれなりの大きさがある。
モノラル用だととても小さいものもあって、値段も安い。
とりあえず、使い物になるかお試しのために、最も安いものを選んでみた。
Audio Comm というブランドで、オーム電機の製品だった。
ゴルフボールを少し大きくしたくらいのサイズで、値段はなんと1800円くらいだった。
なんともかわいいデザインで、ポケットにも入りそうだ。
縦34mm、横49mmなので、直径49mmの球体の上下を15mm削った感じである。
充電用のUSB端子が底面にあるが、ゴムのような材質なので車の中の適当な所に置いても滑らない。
さっそくペアリングして、スマホに内蔵してある音楽ファイルを再生してみた。
思ったよりも、いい音が聞こえてきた。
確かに、説明書には
「アルミニウムボディに高音質フルレンジスピーカーを搭載、ミニサイズでも低音域までシャープでキレのある音質を実現」と、なっていた。
フルレンジスピーカーとはいっても、直径わずか36mm出力3Wであり、おもちゃのようなものであるが、充電3時間で6時間の再生ができる。
さすがに低音域は、ほとんど出ないが、中高音はシャープでキレはあって、この値段でこのサイズにしては、よくできていると思う。
スマホの本体で鳴らすよりは、ずっといい。
説明書には、
「本製品2台をペアリングしてステレオサウンドが楽しめるTrue Wireless Stereo機能搭載」となっているので、もう一台買えば、ステレオ再生ができる。
やってみる、価値はあるかもしれない。
メーカーのウェブサイトのページを見ると、スマホの近くに置いてある写真が載っていた。
そんな使い方を想定して作られた製品なのだろう。
「最大通信距離:見通し 約10m」
ということなので、見通しのよいところなら、けっこう離れていても使える。
いろんな使い道があるかもしれない。
最近、スマホやパソコンの周辺の機器には、ブルートゥースという規格のものが多い。
考えていたら、同じようなブルートゥーススピーカーを、昔買ったことがあるのを思い出した。
はじめてスマホを買った頃なので、10年ぐらい前だっただろう。
お風呂でスマホの音楽が聴けるというので、買って少しの間使っていた。
ところが、私は「烏の行水」で風呂が短時間なので、すぐに使わなくなり、お蔵入りになった。
私はものが捨てられない人なので、そういうものは探せば出てくる。
探してみたら見つかったのだが、長時間放置していたので、汚れがひどいことになっていた。
お風呂で使えるのが売りの製品なので、ゴムのベルトで保護されていて、半防水ということだったから、全体にべとべとしている。
ベルトを外して、全体の汚れを落とした。
マイクロUSB端子にコードを差し込むと、充電が始まる。
直径が9cmで厚さが3.5cmの円盤型である。
どこのメーカーか調べてみたが、"FC CE RoHS"とあるが、メーカー名ではなくて、規格名?らしい。
充電ができたので、電源スイッチを押すと、ランプの点滅とともに「パワーオン」という女性の人工音声が聞こえる。
もう一度押せば、「パワーオフ」である。
スマホとペアリングして、音楽を再生するとちゃんとスピーカーから音が流れた。
音質は、高音のキレがない気はするが、何とか使えるレベルである。
そういえば、ブルートゥースが出たころ、データ転送の際に圧縮するために、音質が劣化していて、いまひとつだと言われていた。
私はそれほど、音質にこだわる人ではないので、許容範囲である。
最新のブルートゥースのバージョンは、5.3となっていて、高音質のブルートゥースイヤホンも発売されているので、音質は改善されているのだろう。
とりあえず、自宅でスマホ音楽を楽しむ時に使うことにした。
「ブルートゥース」名を初めて知った時、それが北欧の王様の名前にちなんだものであるということだった。
”BlueTooth”、つまり「青歯王」ハーラル・ブロタン・ゴームソンというデンマークの王様だそうだ。
でも、「青歯」というのはちょっとかっこいいが、実は歯の病気で歯が黒ずんでいたことからきているそうで、なんか残念である。
青歯王がデンマークとノルウェイを無血統合したことにちなんで、「乱立する無線通信規格を統合したい」という願いが込めて、スウェーデンの技術者が名付けたということなのだが、今一つピンとこない。
乱立する規格を統合する、というのなら、もっとふさわしい王様がいたのではないだろうか。
「ブルートゥース」という規格は、1988年に、エリクソン、インテル、IBM、ノキア、東芝の五社によって策定されたのだという。
ブルートゥースが、私にとって身近になったのはこの10年くらいのものだ。
私が、職務の必要からパソコンに触るようになったのは、ウィンドウズがまだ、バージョン3.1のころである。
ウィンドウズ3.1は、1993年の発売だというから、30年経つわけだ。
1993年は、私が40歳になる年だ。
いい年になってから、パソコンを扱うようになったわけである。
もっともその前には、ワードプロセッサー専用機を使っていたし、さらにさかのぼると和文タイプライターというアナログな器具を使っていて、その延長上である。
その頃のパソコンは、なかなか扱いにくいものだった。
プリンタやスキャナーを接続するには、パラレルコードとかいうでかい端子で太いコードが必要だった。
外付けのハードディスクなら、スカジー(SCSI)接続で、特別な端子とコードが必要だった。
ディスプレイは、映像用のシリアルコードと、音声用のRCAコードと、2本繋がなければならない。
今なら、パソコンと周辺機器をつなごうと思ったら、だいたいUSB接続である。
ディスプレイは、HDMIのコード一本で接続できる。
ブルートゥース規格は、これから存在感を増すような気がする。
ただ、データの転送は一方通行のようなので、双方向にならないだろうか。
無線LAN対応のハードディスクを、サーバーに使っていたのだが、なぜか起動しなくなってしまった。
なので、パソコンとハードディスクは、USB接続で使っている。
いちいちコードを繋ぐのは面倒なので、ブルートゥースのような無線接続にならないものだろうか。