柏市立図書館本館に出かけることにする。
目的は、所蔵されている地図のコピーである。
それだけだと、それほど時間もかからないので、あと二か所寄ることにする。
柏駅に近いところにある「鹿島神社」と建物名はわからないがやはり柏駅に近いところにあるビルである。
鹿島神社は、国道6号線が東武鉄道を越える陸橋の近くにあって、ずっと気になっていた。
陸橋の上から見下ろす感じだが、駅に近いわりには緑に囲まれて静かそうだった。
たぶん、初めて見かけてから、40年以上になるのに未だに行ったことがない。
もうひとつの気になるビルというのは、なんと3、4階のビルなのに外壁が木の板張なのである。
なんて、センスが良いのだろうと、通りかかるたびに思っていたが、ゆっくり観察したことがなかった。
これは、柏駅に近い職場に通っていた頃だから、もう15、6年前には知っていたはずである。
自宅を出て歩き始めると、団地の公園があり、その前に欅が2本ある。
剪定されて葉がつくような枝が全く無くなり、オブジェのようになっていた。
こういうのを、「強剪定」というらしいのは、団地の管理組合の役員をやったときに知った。
そんな状態なのに、太い幹から細い枝と若葉が出ていた。
樹木の生命力は、すごいものである。
先日にブログで、東武鉄道野田線は「東武アーバンパークライン」と変わったけれど、車両は変わっていない、と書いた。
今回撮った写真を見たら、車両は変わっていた。
ふだんは歩かない東武鉄線の西側を、柏方向に歩いた。
線路際に出て、ふと電柱の住居表示をみると「豊四季」なっている。
こんなところが、「豊四季」なのかと驚いた。
JR常磐線の北側には、URの豊四季台団地があるし、柏駅の次の東武野田線の駅は豊四季駅である。
「豊四季」というのは、明治時代に開拓のために入植地の村なのは知っていた。
その後、新しい地名が増えていって、「豊四季」という地名は北と南に離れてしまったらしい。
旧水戸街道にぶつかり、柏方向に歩いていると、ある工務店の店頭に目を引くものがあった。
そのとおりである。
「止まない雨はない。」
交差点で、左に曲がりJRの隧道をくぐる。
国道6号沿いに、歩道を進むと東武鉄道の線路に架かる陸橋である。
神社の森が見えて、赤い鳥居もある。
歩道を降って、鳥居に向かう。
柏駅から、それほどの距離でもないところに、JRと東武鉄道、そして国道6号と三方向を囲まれている。
それにも関わらず、ひっそりとしている。
人影はまったく無く、静かである。
由緒によると、豊四季の鎮守として、明治22年に創建された。
日本建国に際して、東国経営の任にあたった開拓の神である香取大神を、開拓の村である豊四季の鎮守とした。
柏市には、他にも「十余二」という開拓の村がある。
いずれも、明治政府が士族等の救済のための事業として行われたものである。
旧士族が多かったので、他の農村とは流儀などが違ったらしく、農村の合併が行われた時代にも、他の村との合併を拒み続けたらしい。
次に、柏駅近くのクレストホテルの近くにあるはずの外壁が板張のビルに向かう。
クレストホテルは、帝国ホテルグループのホテルで、羽田空港や成田空港への長距離バスの発着所にもなっている。
目的のビルを探してみたが、どうも見つからない。
それらしいビルはあるが、外壁は板張りではない。
建物の周囲の2メートルくらいもコンクリートではなく、板を敷き詰めていたはずだ。
私が、柏駅に近い職場に勤めていたのは、10年くらい前のことだ。
もしかすると、その後に板張りからふつうの外壁に変えたのかも知れない。
私の記憶では、柏には、外壁が板張りのビルが、もうひとつあったはずである。
図書館の後で、寄ってみよう。
図書館で、地図の整理棚からフランス式彩色地図を取り出す。
フランス式彩色地図というのは、このブログで何回もとり上げている。
明治初期に、日本陸軍が作成した手描きの地図である。
正式には、「迅速測図原図」であり、印刷発行するための原図であったのだと思われる。
図面自体の大きさは、ほとんどA4判を縦にしたものと同じくらいだが、縦が3cmほど短い。
これはあくまでも、地図作成のための原図だったのだろう。
実際に発行された地図は、これを横に2枚つなげた大きさのものだったようだ。
千葉県については、北西部地域分が7セット発行されているが、柏市立図書館ではその第1から第4までのセットが所蔵されている。
そのうちの柏と我孫子が含まれている第3のセットは、すでにコピーしたので、今日は残り3セットをコピーすることにする。
コピーの申込書に記入して、窓口で許可を得る。
3セット18枚、サイズにかかわらず、カラーが1枚40円、白黒10円である。
彩色地図なので、もちろんカラーコピーを選ぶ。
間違えないように、ゆっくり時間をかけて、一枚一枚処理する。
とりあえず、今日の目的は終了。
図書館を出て、次のビルに向かう。
近くに、地ビールの店があったことを思い出したので、寄ってみる。
まだ飲んだことがないので、一度飲んでみたい。
木〜日曜日 17:30〜21:30
ここまで来るのは、むずかしいかな。
もうひとつの板張外壁のビルは、郵便局の隣にある。
このビルは、最近も車で通りかかっているので、間違いない。
でも、じっくりと観察したことはない。
写真を撮っていたら、監視カメラがあった。
3階建てのビルであるが、1階は黒いレンガの様なもので、2階3階は木材の色がかなり暗い色調の外壁なので、離れると木材とはわからない。
なかなか、渋いと思う。
これに比べると、ホテルの近くにあったビルの色調は明るくて、華やかさがあった気がする。
木材なので、そんなに年数的に持たないのだろうか。
このビルは、広告会社のビルだった。
なるほど、納得である。
一階には、はさみマークの看板があったので、理髪店が同居してるようだ。
向かいには、カフェができている。
少し前までは、和服のお店だった気がするけど、思い違いかな。
コロナ禍で、大変な時期だけど、少しずつ変わって行くのだなあ。
この後は、のんびりふらふらと帰った。
出発11時 帰着3時。
1万4千歩 11キロ。
本日の成果は、フランス式彩色地図のコピー18枚。
本来は白かったであろう紙の色は、黄色く変色している。
100年以上も昔のものなのだからしょうがない。
むしろ、一枚も欠けず保存されていたことを、喜びたい。
なんと、900枚近く残っている。
途中で、地図を保管するファイルを買った。
A4サイズのサイドインファイルだと、A3サイズであるこの地図を収納できる。
しばらくは、これを楽しむことにしよう。