初めてミュージカルというものを見たのは、高校生だった時の「ウエストサイド物語」だった。
この映画は、1961年に公開されたものだったのだから、私が見たのはリバイバル上映で、たぶん1969年か、1970年頃である。
このミュージカルの音楽は、20世紀を代表するクラシック音楽の作曲家であり、指揮者であったレナード・バーンスティンが担当していた。
ちょうどその頃に、最初のロック・ミュージカルと言われた「ヘアー」というミュージカルが評判になった。
1967年にオフ・ブロードウェイで、1968年にブロードウェイで公演し、1969年には、なんと日本でも日本人スタッフとキャストによる「ヘアー」が公演された。
ベトナム戦争下のアメリカの若者の生態を描いたものだったらしいが、当時、高校生だった私はミュージカル自体は見たことがない。
でも、とても印象深く記憶に残っている。
映画化されたのは、10年後の1979年である。
それは、このミュージカルで使われた曲がヒットチャートを席巻していたからである。
田舎の高校生だった私でも知ってるのだから、日本でもヒット曲になっていたのだ。
思い出して数えてみた。
ミュージカルでは、30曲以上使われたらしいが、8曲は覚えている。どの曲も、タイプが違っていて魅力があったと思う。
Hair
当時のヒッピー文化を象徴するのが、「長髪」だった。
ミュージカルの名前と同じ曲名であるこの曲は、「カウシルズ」というファミリーグループが歌っていた。
日本では、「雨に消えた初恋」(The Rain,the Park & Other Thing)というヒット曲があった。
The Cowsills Hair 1969 IN COLOR !!
https://www.youtube.com/watch?v=Qt_yKPNORLM
Where Do I Go?
歌詞は、内省的なものである。
Where do I go
Follow the river
Where do I go
Follow the gulls
Where is the something
Where is the someone
That tells me why I live and die
Hair - Gavin Creel performs "Where Do I Go?" @ pre-Tony concert
https://www.youtube.com/watch?v=_hENJzUAFJQ
Hare Krishna
この頃は、インドの楽器シタールがロックで使われたり、ビートルズのジョージハリスンやジョン・レノンがインドの思想に傾倒していた。
「ハレ・クリシュナ」というのは、ヒンズー教の神への呼びかけらしく、その頃のアメリカの若者には浸透していたのだろう。
Hare Krishna from Hair the Musical
https://www.youtube.com/watch?v=mtpWMXL6_FI
Aquarius Let The Starshine In
その頃、最も人気のあった男女5人組のコーラスグループ「フィフス・デメンション」の最大のヒット曲になった。
ミュージカルで使われた2曲をを繋げて、一つの曲としたものだった。
「ビートでジャンプ」や「ウエディングベル・ブルース」などは、日本でも売れたと思う。
𝗧𝗵𝗲 𝟱𝘁𝗵 𝗗𝗶𝗺𝗲𝗻𝘀𝗶𝗼𝗻 | 𝗔𝗤𝗨𝗔𝗥𝗜𝗨𝗦 ♒︎ 𝗟𝗲𝘁 𝗧𝗵𝗲 𝗦𝘂𝗻𝘀𝗵𝗶𝗻𝗲 𝗜𝗻 - [Extended]
https://www.youtube.com/watch?v=vbCH5lnZ6sA
Good Morning Starshine
「ヘアー」、「アクエリアス」、「イージー・トゥー・ビー・ハード」そしてこの曲が、ヒットチャートの上位に入っていた。
日本でも、同様だったろう。
いかにも、親しみやすく聞きやすい歌で、ミュージカルという感じはしない。
Oliver - Good Morning Starshine (1969)
https://www.youtube.com/watch?v=-I-NbgskFeY
Easy To Be Hard
ロックテイストの男性3人のコーラスグループで、とにかくヒット曲が多かった。
曲の選択が良かったのだと思うが、いい曲が多く、歌もうまくて、私のお気に入りだった。
Three Dog Night "Easy to be Hard" OnTV
https://www.youtube.com/watch?v=SrD14jqTtAE
Frank Mills
この曲は、アグネス・チャンの香港製のレコードに入っていた。
秋葉原で見つけたのだが、香港製なので、すべて英語だった。
高校を卒業して、横浜に住んでいた学生の頃である。
いい曲だとは思ったが、「ヘアー」で使われた曲だというのは、ずいぶんと後になって知った。
Frank Mills / Agnes Chan(陳美齡/アグネス・チャン)
https://www.youtube.com/watch?v=gCN0CEOFvjw