晴耕雨読    趣味と生活の覚書

  1953年秋田県生まれ。趣味は、山、本、音楽、PC、その他。硬化しつつある頭を柔軟にすべく、思いつくことをなんでも書いています。あわせて、江戸時代後期の紀行家菅江真澄の原文テキストを載せていきます。

歴史

けふのせはのゝ⑤ 菅江真澄テキスト

八日つとめて寺林(岩手郡玉山村)、河口(岩手町)をへて、巻堀(玉山村)といふ村に斎ふ金勢大明神といふかん籬あり。 こは名にたかふ、石の雄元の形あまた祠にをさめたるはいかにととふに、近きころ盗人とりうせたるを、もとめいだし奉りてのちは、此里のこと処…

時代は変わる

ボブディランが、「時代は変わる」という曲を作ったのは、1964年だそうだ。 私は、その曲をサイモンとガーファンクルの歌で聴いた。 サイモンとガーファンクルは、同じ1964年の自分たちのデビューアルバムで、この曲をカバーしている。 私が初めて聴いたのは…

けふのせはのゝ④ 菅江真澄テキスト

五日 とのしらみゆけば、女戸おし明て、こは水霜〔露をしかいふなり〕しろ霜まじりふりたりとて、真柴折くべ物にるにあたりて、出たつよそひす。 けふは末の松山見にいかんとおもひて、とく/\と出ぬ。 梨木坂のこなたよりは二戸郡といへり。 保登(戸)沢…

どんなに人気のあるものでも寿命はある

けふのせはのゝ③ 菅江真澄テキスト

二日 朝たつ。 をりしも恵音ほつし(法師)、とよりさしのぞき、又いつかなどいへるに、 昨日来てけふの細布たちさらばむねのひがたき別ならまし とて、やを出て、小豆沢村(鹿角郡八幡平村)になれば、いかめしき大日如来の堂あり。 そのゆへは、そのかみ田…

けふのせはのゝ② 菅江真澄テキスト

鶴田村(花輪町)の辺になみだ河といふめるは、あはぬ夜毎/\を根み、ながるゝなみだの顔をあらひたるより川の名におへりとも、又いつまで世にすみありつとも、あがおもふ女を見ることこそかたからめとや思ひけん、深き林に入て此男くびれ死けり。 又、その…

電子図書館が身近なものになる①

私の住む柏市の市立図書館が、電子図書館のサイトを開設した。 そんな噂は聞いていたのだが、サイトをチェックしていなかった。 今年の1月24日から、サービスを開始していた。 なるほど、こんな感じである。 柏市の電子図書館 web.d-library.jp 検索ワードを…

雪のある生活

私は、雪国で育った。 このことについては、ブログに何回か書いている。 秋田県と青森県の県境をなす白神山地の南麓の村で、生まれて高校卒業まで暮らしていた。 11月に初雪が降って、12月からから根雪となって、3月頃から溶け始めて4月初めには、あちらこち…

けふのせはのゝ① 菅江真澄テキスト

天明五年(一七五八)の秋、つがろじをへて南陪の鹿角郡になりて錦木のむかしを尋ね、岩手郡、和賀郡を過て仙台路にかゝり、江刺郡に片岡邑に宿りたるまでをかいのせたり。 其言葉みじかういひもたらされば、《けふのせはのゝ》と名づく。 (天明五年―一七八…

紙の本とデジタルの本②

私にとって何度目かの「電子書籍ブーム」が訪れている。 今までため込んでいた歴史書や古典文学などのテキストを、パソコンやタブレットで読めるように、電子書籍に変換している。 きっかけは、「吾妻鏡」である。 このブログに、「令制国」のことを書いてい…

そとがはまかぜ⑥ 菅江真澄テキスト

廿二日 あさとく、せきて(関手形)わたして越たり。 このあたりの郡はいかにととへど、しらじ、たヾ白河庄とのみいらふ。 みちの左右に白糸滝、登滝、無音滝、日暮し滝、二見滝、折橋の番処を右の沢へおりて温泉あり、鬼湯なり、大人の入湯の故事。 銀山あ…

霞ヶ浦は香取海だった

正月に、楯縫神社にお参りした際に、置いてあったパンフレットを持ち帰った。 社殿の脇に、きれいに整理されていた。 内容がおもしろいそうだったので、10種類ほどあったのを、すべていただいてきた。 帰ってから、読んでみた。 おもしろかったパンフレット …

そとがはまかぜ④ 菅江真澄テキスト

十六日 あるじ行徳の云、みちのこゝろは露も思ひはなれずよなど、まめやがに聞えて、 立帰る雲措は遠く隔ともこゝろを渡せ天のうきはし 寄るなみのたち帰るも絶ずたゞ三河の水の音信てまし となんありける、ふたくさの返し。 雲井路をたちへだつとも忘れずよ…

菅江真澄の文章

私の手元にある「菅江真澄全集」は、1981年に「未来社」が刊行したもので、第三刷である。 しかし、第一刷は1971年に出ている。 奥付を見ると、第一巻の定価は6500円であり、全巻十四巻を揃えるといい金額になった。 菅江真澄は、それほど知られた人物ではな…

そとがはまかぜ③ 菅江真澄テキスト

十二日 川ひとつわたりて百田邑(弘前市)を過て、名によぶ津軽野に出たり。 いまはつがのといひ、村あり、つが野邑といへり。 「みちのくのつがろの野辺の萩盛こやにしき木をたつるなるらん」 大久保(以下弘前市)、撫牛、堅田、和徳、広崎(弘前)の里に…

四年という年月

サッカーの日本代表が帰国した。 決勝トーナメントの第一戦は、深夜だったので、早めに寝て起きられたら見ようと、特にタイマーはセットしなかった。 目が覚めたら、まだ試合開始前だったので、ベッドの上でiPadを使って試合を見た。 Yahooのワールドカップ…

時代は変わる

パチンコ店の閉店が、すごい勢いで続いているらしいことを、何ヶ月前かのブログに書いた。 我が家の最寄駅である東武新柏駅前のパチンコ店も、最近になって突然閉店した。 私は、パチンコはやらないので、入店したことはない。 駅前のロータリーを挟んで、駅…

世にも不思議な話

「ウィズ・コロナ」ということなのだろう、日々の生活はそれまでの通常なものに戻りつつある。 Yahoo!のホーム画面に、コロナの発生情報が毎日載っている。 昨日のコロナ感染者は、全国で11万8千人で、このところ10万人を越える日が多い。 死亡者だって、こ…

そとがはまかぜ② 菅江真澄テキスト

八日 又牛島に至り川におりたち、こなたかなたとあさせもとむれど、水とふかければ身もうき、足もながれ、すべなければ岸辺にあがり休らふを旅人二人来て、われ、さいだちて瀬ふみしてん、つゞきたまヘ。 たか石をふんであまち侍るな、流に隋ひてわたりてよ…

想像力が生み出した鳥瞰図というもの その3

柏市の図書館本館に行く機会があったので、「鳥瞰図」を見てきた。 何ヶ月前かに、このブログに、「千葉県市街鳥瞰図」というのが蔵書としてあることを書いた。 この地図セットは、冊子ではなく、大小様々な大きさの地図を復刻したもので、折り畳んでA4ほど…

欧米人のおなまえ③

南米の国で、日本のアニメの登場人物の名前を、自分の子どもに名付ける人が多いという記事を読んだ。 日本のアニメやマンガは、世界中で放送されたり、読まれたりしているということは聞く。 日本で作られたものだと知らずに、見ていたりして、日本のものだ…

有名であること 無名であること

デスクトップPCを起動し、外付けハードディスクのフォルダにある音楽ファイルを探す。 目的のファイルを見つけると、アプリが立ち上がって、音楽が再生される。 これまでは、こうやって音楽を聴いてきた。 PCも古いものなので、ウインドウズの立ち上がりも遅…

ピュアオーディオの世界

スーパーでの買い物ついでに、書店に寄ってみた。 駅前のスーパーのビルの2階にある書店である。 定年で退職して以来、書店に行く機会が、ぐっと減った。 電車通勤していた頃は、かなりの頻度で、覗いていた。 私の興味の対象は、パソコンとかオーディオあた…

そとがはまかぜ① 菅江真澄テキスト

(序文) 天明五年乙巳秋八月三日、みちのおくつがろ路にいたりて、ふたゝび、いではの国齶田のさかひをわけて、十二所の関を越て、沢尻といふ邑に来て、おなじ葉月廿五日までかいて、名を《そとが浜風》とせり。 おなじき廿六日より又みちのおくの南倍(部)…

国名について調べてみた16 陸奥国と征夷大将軍

これは、私の日本の歴史の勉強のための覚書です。調べたこと、考えたことを書きとめてます。 令制国というものに興味があって、気が向けば調べたりしています。 今年のNHK大河ドラマは、「鎌倉殿の13人」であり主人公は「源頼朝」かなと思っていた。 しかし…

そとがはまかぜ 菅江真澄テキスト

天明5年(1785年)、菅江真澄は、8月3日出羽の山本郡八森から津軽藩に入る。 この年の4月まで、出羽国雄勝郡に約5ヶ月滞在していて、その日記が「おののふるさと」である。 滞在中に親しくなった人々に別れを告げて、旅を続ける。 後の著作の内容により、横手…

YouTubeで私が見ているもの

YouTubeで、何を見ているのか。 最近見ているのは、バンドメイドというバンドの全米ツアーである。 10月9日に、カリフォルニアで開催された音楽フェスティバル「アフターショック」への参加を皮切りに、全米13都市を単独公演するという。 ネット記事でそれを…

芙蓉の花が咲いている

芙蓉の花が咲いている。 咲き始めたのは、8月ごろだったが、10月になった今も咲いている。 葉っぱは、落ちてだいぶさみしくなったが、これから咲く蕾はまだいっぱいついている。 だいぶ以前のブログに、芙蓉のことを書いた。 集合住宅の駐車場の隅にあった芙…

MVPをどうやって選ぶのか

大リーグのMVPに、誰が選ばれるのかが、話題になっている。 大リーグといっても野球の大リーグMLBには、アメリカンリーグとナショナルリーグがある。 MVPに誰が選ばれるか、議論が加熱しているのは、ヤンキースとエンジェルスが所属しているアメリカンリーグ…

「どこでもドア」と「どこでもカメラ」

「どこでもドア」という「ドラえもん」のひみつ道具がある。 目的地を考えたり、ことばにするだけで、ドアを開けるだけでどこへでも行けるらしい。 私は、ドラえもんの世代でない。 さかのぼって、同じ藤子不二雄さんの「オバケのQ太郎」や「パーマン」を、…